FIFA会長選に田嶋幸三名誉会長が立候補 海外メディアは「本格的な対抗馬」と評価

日本サッカー協会(JFA)の田嶋幸三名誉会長(68歳)が、2027年3月18日にモロッコ・ラバトで行われるFIFA会長選への立候補を表明した。現職のジャンニ・インファンティーノ会長(56歳)に挑む日本人候補は初めてで、海外メディアは田嶋氏を「本格的な対抗馬」として大きく報じている。

海外メディアが注目した理由

AP通信は、FIFA子会社設立計画などをめぐる騒動の後、田嶋氏を「初めて登場した本格的なライバル」と評した。同通信は田嶋氏を「尊敬を集める、外交的で控えめな人物」と紹介し、現職に対抗できる候補として注目している。

英紙ガーディアンも、田嶋氏が「広く尊敬されている」人物だと報じた。同紙は、田嶋氏が2026年10月に東京で開かれたアジアサッカー連盟(AFC)総会でUEFA幹部と会談していたことに触れ、「UEFAの承認を得て動いている」とみられると伝えた。

欧州からの支持が焦点

英スカイスポーツは、田嶋氏が現職に対する唯一の対立候補となれば、欧州から圧倒的な支持を得る可能性があると予測した。同メディアは、UEFA加盟55協会の「ほぼすべての票」を田嶋氏が期待できる可能性があると報じている。

これは、インファンティーノ会長への批判が欧州で強まっている背景がある。ガーディアンは、欧州がサッカー界を支配しているという見方への反発を避けるため、UEFAがヨーロッパ出身ではない田嶋氏を支持する可能性があると分析した。

海外の評価は「挑戦者」から「勝算あり」まで

海外メディアの見方は一様ではない。英スカイスポーツやAP通信は田嶋氏を有力な挑戦者とみなす一方、ポルトガル紙A Bolaは、アジアサッカー連盟(AFC)がインファンティーノ会長を支持しているため、アジア各国の協会が田嶋氏をどう評価するかはまだ不明だと指摘した。

また、英トークスポーツのコメンテーターは「田嶋氏は知名度が低い。立候補すべきはベンゲルだ」と述べたと報じられている。一方で、フランスのサッカーメディアSo Footは、田嶋氏が掲げる日本サッカーの倫理観や規律、誠実さについて、「FIFAがあまりにも長い間忘れていた価値観だ」と評価した。

立候補に必要な条件

田嶋氏が正式に立候補するには、FIFA加盟協会のうち5協会からの推薦が必要となる。立候補の締め切りは2026年11月18日で、田嶋氏は推薦数の確保について「立てています」と述べている。

田嶋氏は、長年関係を築いてきた東南アジア諸国に加え、インファンティーノ会長に批判的な欧州各国からも支持を得られる可能性があると報じられている。ただし、欧州の支持が正式な形で固まるか、アジアや北中米カリブ海地域の票をどこまで取り込めるかが、今後の焦点となる。

今後の見どころ

海外メディアは、田嶋氏を単なる「名目上の挑戦者」ではなく、インファンティーノ会長に実際に対抗できる候補とみなす報道が増えている。特に欧州メディアは、UEFAの支持の有無や、田嶋氏が唯一の対立候補となるかどうかを重要なポイントとして注視している。

今後は、5協会からの推薦獲得、UEFAの正式な支持、そしてアジアや北中米カリブ海地域の票の動向が、田嶋氏の勝敗を左右する。現時点では、欧州を中心に「有力な対抗馬」とする評価が広がる一方、現職の優位性を指摘する声も残っている。