なぜアルゼンチン代表には白人選手ばかりで、黒人選手がいないのか?

フランス代表に黒人選手が多いことはよく知られていますが、アルゼンチン代表にはほとんど黒人選手がいません。同じ南米でも、ブラジルやチリには多くの黒人選手がいるのに、なぜアルゼンチン代表はこんなに少ないのでしょうか?
さらに、アルゼンチンサッカー界でも、歴史的に黒人選手が少ないのが現状です。
この記事では、アルゼンチンの歴史的背景と社会構成がこの現象にどのように関係しているのかを考察します。
歴史
北米や南米の先住民の多くはヨーロッパ人による大半が殺されました。その後、大西洋三角貿易の時代に入ると、アフリカ大陸から多数の黒人が強制連行され、南北アメリカ大陸のプランテーションで過酷な奴隷労働を強いられるようになりました。教科書で近現代史の重要な転換点として学びました。
だから、北米のアメリカや南米のブラジルには黒人が多いわけだけど、じゃあなんで🇦🇷アルゼンチンにはほとんど黒人がいないのか?
ポイントは、奴隷貿易の需要がプランテーションの労働力にあったこと。例えば、🇧🇷ブラジルは熱帯気候でサトウキビやコーヒー、綿花の大規模栽培が盛んだったから、大量の黒人奴隷が送り込まれた。
でもアルゼンチンは違う。
アルゼンチンには世界有数の温帯草原であるパンパが広がっており、主産業は農業ではなく牧畜でした。牛や羊の飼育は黒人々の伝統的な技能とは異なっていたため、アルゼンチンは主にヨーロッパからの貧困層を農牧業の労働力として受け入れる形になったんだ。
社会
人種差別──多くのアルゼンチン人は認めないけど
1989年から1999年までの2期アルゼンチン大統領を務めたメネムは、「黒人はブラジルの問題であり、アルゼンチンにはその問題は存在しない」とともに、「彼は黒人だから、あんたには言いにくかった」と発言しました。

2018年、時任大統領マクリーはダボス会議で、「アルゼンチン人はすべてヨーロッパ系の子孫」であると述べました。
2021年、後任の大統領アルベルト・フェルナンデスも、「メキシコ人は先住民の子孫、ブラジル人はジャングルから来たが、アルゼンチン人はヨーロッパから船で来た」と誇らしげに語りました。
そして2024年、エンソを中心とするアルゼンチン代表選手たちが人種差別的なチャントを披露し、大きな議論を呼びました。
これが、アルゼンチンが南米の移民国家でありながら、黒人の割合が0.4%にも満たない理由です。
一概に人種差別と決めつけるのはどうかと思いますが、社会的な要因があるのかもしれませんね。例えば、日本や中国、韓国などのアジア諸国では、政府から一般の人々に至るまで、黒人を受け入れるのは非常に難しいという現実もあります。